文化的差異とヒューマノイドの人間性のこととか

NHKでも紹介されたようですが、今更ながら雛というロボットの動画について。
というよりは一連の動画に対する反応の違いが面白いなと思って、ちょっとメモ。

まず、雛というロボットの動画はこちら。

作成された方のサイトはこちらにあります
 → clockwork


なぜこの動画がかくも話題になるのか、ということの理由のひとつに、仕草や「不気味の谷(Uncanny Valley)」への言及がコメント欄にたびたび現れてくることからもわかるように、機械の帯びうる人間性についての問題提起を孕んでいることがあるのかな、と思っています。

これを理解するのにホンダのASIMOへの反応が役に立つと思うのでこれもご紹介。

コメント4000件以上あって読みきれないよ!とも思うので、ニコ動のまとめ動画もご紹介。


特にアメリカのユーザからの反応が特徴的に人類と競合するものとして意識している傾向があるように思われます。

この2つの動画に対する反応って、対照的というか、象徴的というか、まったく正反対のアプローチでひとつの構図を描き出しているように感じられます。

なんというか、社会なり生活なりの位置付けにおいて、内部に存在させたいと思うか、外部に存在させたいか、という、ヒューマノイド型ロボット(というか、あるいは広範囲に機械なりテクノロジーなりガジェットなり)のポジショニング次第で、人間に似てくるにつれ、細やかな仕草が可愛いという反応(内部に存在している)なのか、不気味という反応(外部に存在している)なのか、という差異が出てくるのだろうなあ、と。
uncanny valleyで検索して出てくる図を見るとわかりやすいですが、谷のこっち側まで引き寄せるか、向こう側に留めておくか、という感じで。


であるならば、内部に存在させたいと思う文化であれば、より人に似せるなりより理想に近付けるなり、という志向が働くでしょうし、外部に存在させたいと思う文化はおそらく非人間的に、時には醜く、という志向が働くかなと思います。
顔の付け方などは「魂を入れる」ということで相当に違ってくることは容易に想像が付きます。
# 既に初音ミクドロッセルお嬢様という好例があるかも(笑

この辺の差異は企画や予算や規格において明確に区別しにくいわけで、ヒューマノイド型ロボットからコンテンツに至る広範囲のベンチャー投資を含む研究開発投資において、今後この指向性の差異は目立ってくるんじゃないかなという気がします。
決裁権限のある人たちのエスニシティや文化的背景の影響は受けることになるんだろうなとは思いますが。

あ、コンテンツまで含めて考えてるのは、例えばブレードランナーと攻殻とでは設定はそれなりに似ていると思う一方で、中で描かれる人間とヒューマノイドの関係やエンディングでの救いの有無なんかがかなり違うのは、似たような理由によるものだと考えているからです。

それが実際のところどのくらいの差になるかなんてことはわかるはずもないし、わかって何か意味があるのか、みたいな世界ではありますが、まあ、どういう径路を辿ってアンドロイドの市場ができうるか、くらいはやはり考えておきたいところです。

より長期的にはアンドロイドの市場がいずれできるとして、スターウォーズのC3-POみたいな外見のアンドロイドと攻殻の少佐みたいなアンドロイドとちょびっツのちぃみたいなアンドロイドとそれぞれ出てくるとか、やっぱりパナソニック製がいいとか、そういう話になった時にちゃんと状況に付いて行けなきゃ、とか:P


さて。

上記に記した機械の人間性に関連して、雛がなぜ可愛いと思われるのか、という要素も考えておくと、割と役に立つかなー、という気がしております。なぜそういう気がするかについては、とりあえず次回以降で。

雛の可愛さに関していえば、これは割と多層的というか複合的な感じがしてまして、YouTubeのコメントでも議論されているように、フレームが剥き出しであること、ボディがスク水であること、萌え系の頭部であること、しかしながら無表情であること(さらにしかしながらツンデレと感じるか指摘する人が皆無であること)、などが大雑把にはポイントとして挙げられるかな、と思います。

対比を以って理解するには、リアルにしちゃって不気味になってしまった(失礼)産総研のHRP-4Cあたりがよいでしょうかね。他にも幾つかありましたけど。

とりあえず思っている推論だけ書くと、不気味の谷のこっち側に取り込む(内部に取り込む)からこそ、記号を付与して記号化して区別する、というクッションを入れる作業をしていて、そのクッションとして身近な虚構を利用している、という印象です。
つまり映像化されている人間的な非人間=アニメ、漫画、ゲームの衣を纏うのは至極まっとうな話ではないかな、と思うのでありました。

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